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78年版『若草物語』映画鑑賞奮戦記
■78年版『若草物語』映画に目覚めた時 たしかに1982年12月31日の年越し映画でみた49年版『若草物語』によって、すっかり『若草物語』の虜になったのは確かなのだが、それには、その前にみたこの78年版TV映画『若草物語』の下地があったからだ。「私の『若草物語』との出会い＆今に至るまで」にも書いたが、ここのベア先生の『リア王』をジョ−に渡すシーンがえらく印象に残って感動した。だから、その好印象をそのまま引きずっていた49年版にスーっとのめり込んだのだと思う。 1984年12月に『アメリカTV映画ハンドブック』(洋販新書)というのを買っている。49年版をバイブルにしつつも、一方で「そもそも若草フリークの原点になった78年版をみたのはいつだっけ?」と思ったのか、この本の78年版『若草物語』の記述のところに、赤ペンで印をその頃している。ちなみにNHKで1980年に放映とあった。 ■1980年のTV放映日の謎 この本に「1980年放映」とあるので、その頃みたのだなぁと納得していたものの、妙なことがおきた。 手元にある94年版『若草物語』の映画パンフの中で、児玉数夫氏がこの78年版のことに触れている。児玉氏は1980年12月27日にみたとある。しかし、ちょっと腑に落ちないことがでてきた。それは、私の78年版『若草物語』をみた断片的な記憶をまとめると、 (1)「冬」の「夜」であったこと (2)NHKでやっていて、前編後編と二部に分かれていたこと (3)学校でクラスメートのIちゃんが「『若草物語』のTVみた? もう最後泣いちゃった。」といい、私も「私もみた。アレよかったよね。」と会話したこと (4)次女ジョーの声優が浅芽陽子で、雰囲気がジョーに似合っていて上手い人を当てるものだなぁと思ったこと(今はTVであまりお目にかからないが、当時はサッパリ系でボーイッシュな雰囲気の女優さんだった) などであるが、この1980年12月27日だと、(3)のクラスメートのIちゃんとは一緒ではないのだ。いったいどういことなのだろう?? 新聞縮刷版のTV欄を見ると、たしかに1980年12月27日にも放映された記載があった。しかし、それは午後2時すぎからで、さらによくみると「再放送」の印があるではないか。記憶の(1)(3)を考えると……ということで、この条件にあてはまりそうな時期を絞って、この縮刷版をずっと探していった。すると1980年1月3日に、まさに夜8時から10時55分までの記載があった。さらに、この時ならIちゃんと同じクラスなのだ! これで、ずっと謎であった「TVを見た日」のことが氷解した。 さらに、記憶を辿れば、たしか、この再放送の存在を当時その日のあとで知ったように思う。所用で出かけていて、みることが叶わず残念に思った記憶が甦ってきた。当時は今のようにビデオデッキなんか一般家庭にない時代だった。 ■ビデオが販売されていることを知る このようないきさつから、たしかに49年版が一番のお気に入りではあったが、潜在的に78年版も気になっていたのだと思う。そんな時、2001年1月にインターネットで遊んでいると、この78年版ビデオがアメリカで存在していることを発見した。 欲しい! けれど、たしかまだ日本Amazonがあったかなかったかの頃。米国Amazonにはあったが、海外注文はちょっと抵抗あり、でも近々どうにかして購入しようとノンキにしているうち、とうとう米国Amazonのが品切れになってしまった。 先手必勝とはこのことかと悔やんでいる時、2002年春に日本Amazonに78年版販売の記載があった。その後の一連のトラブルは「若草のひとりごとに詳細に書いているが、日本Amazonに早速注文したものの、アメリカ側の商品番号のミスらしく、2度も70年版を間違って送って来た。日本Amazonは、米国から輸入しているから、そもそも米国でビデオがなければ、日本に来るわけがないのだ。結局日本Amazonからは入手できなかった。 ところで、英国Amazonにも実は78年版があった。ただし、日本のVHSはNTSC方式だが、あちら英国はPAL方式。それでも無いよりましとそれを注文しようとした矢先、なんと、この英国Amazonもいきなり絶版になってしまった。ほんとうにガックリきた。78年版には一生縁がないのか…と思った。でも……、諦めきれなかった。 ■78年版ビデオ購入への格闘の日々 こんな経緯を気の毒に思ってくれたのか、とある先生は、アメリカに御子息さまが在住しておられ、「息子に頼んでおく」と手配して下さった。 オークションで欲しいものを何回かゲットしたことのある知人は、インターネットのオークションサイトを紹介してくれた。 自分も欲しいビデオがあるからと、アメリカに行く事のあった友人は「もし中古ビデオshopに寄れたら見て来る」と78年版の商品番号を控えて行ってくれた。 本当にいろんな方々に御協力いただき、感謝であった。 こうなったら、日本でよくある「有名人がコレを探しています」のTV番組のごとく、アメリカで有名になって、全米ネットで78年版『若草物語』ビデオを探しています、と出演するしかないのかとまで思った。 とりあえず地道に、ダメモトでちょくちょく米国、英国、日本、カナダ、ドイツのAmazonをみていた。ただし、米国Amazonは商品がでていても、商品番号間違えを直していず、手が出せなかった。最近ようやく78年版の掲載すらなくなったようだが。カナダも出ているが、米国と連携しているので怪しい。 そんな時、2003年1月22日、ついに英国AmazonにzShopsからの6個の出品表示を見つけた! この商品が米国Amazonと連動していて、商品番号ミスがあるのかどうかわからない。けれど、別の英国内のビデオ通販とカタログ番号が同じであったし、PAL方式なら品物の出所も違うだろうから米国とは関係ないのでは？、違っていたらその時だと、ここでもう勝負に出ようと注文することに決めた。 ただし、前回の日本&米国Amazonのトラブルを思い、英国Amazonを以前利用して慣れている知人の先生から注文してもらった。ビデオ£21.99+送料£5.94=£27.93ナリ。注文したその日からからなんと7日で日本に届いた。 ■23年ぶりに78年版『若草物語』に再会 届いたあと、実際にみられたのは、2月もちょっと過ぎてからになったが、学校にはPAL方式のビデオデッキがあるので、それでやっとやっと23年前に思いを馳せた78年版をみた。 3時間余りはあっという間に過ぎて行った。やはり前半(Little Women)より後半(Good Wives)のほうが楽しい。William Shatnerのベア先生も、決して49年版のRossano Brazziのように美男子ではないが、嫌味な感じがなくてよかった。 当時私の心をとらえた、小説『リア王』を渡すシーンは、馬車で行き去るジョーに、ベア先生が走って「これを」ととにかく渡し、彼女が受け取った『リア王』の表紙をあけると、その中に「この本で小説の勉強をして下さい」と書かれていて、ベア先生の声だけがそのメッセージを語るようなシーンだった。またさらに、BGMもとても効果的なメロディだった。 あと、ベア先生とジョーが雪の中に子ども達と歩くシーン、ジョーが浜辺でベスにベア先生からの手紙を読むシーン、最後の土砂降りの雨の中でベア先生とジョーが再会するシーンなど、断片的にあったうろ覚えの記憶が、このビデオでクリアになった。 ■すべてに感謝! とにかく、やっとやっと思い入れ深い78年版がこうして手に入った。結果的に、これは執念というかなんというか…。 こうして、23年もの時を経て、再びこの映画に再会できたことへの感謝! 英国AmazonとそのzShopsのgeoffvideosに感謝! これまで、私の78年版若草騒動に御協力頂いた(現在も頂いている)方々皆様に感謝!
※これが英国Amazonにある78年版『若草物語』ビデオ-->78年版
(2003.2.14) 映画TOP
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